RubyKaigi 2023 にヘルパーとして参加して、受付を担当しました。 その経験から、知っておくと良いと思ったこと、次回以降こうするとよさそう、などをメモしておきます。
- 知っておくと良いこと
- 次回以降こうするとよさそう
知っておくと良いこと
チケットの種別
RubyKaigi 2023の受付は、参加者から提示される2次元バーコードをスマホで読み込むことでチケットの確認をしていました。
自分が把握している限り、読み込み時にアプリに表示されるチケットの種別は次のとおりです:
- Attendee
- 一般参加者のチケット
- 購入時期によって "Super Early Bird" などの括弧書きがある
- Sponsor
- スポンサー企業に配布されるチケット
- Attendeeと同様にセッションを聴講できる
- Student
- 学割チケット
- 受付時に学生証の提示が必要
- Guest
- ゲストチケット
- (自分は遭遇しなかったのでどういう人がゲストなのかはわからない)
- Speaker
- スピーカーのチケット
- Committer
- Rubyコミッターのチケット
- Booth
- スポンサーブースの運営担当者のチケット
- セッションを聴講することはできない
受付では、それぞれのチケット種別に応じた対応をする必要があります。
チケットの種別とバッジ(ネームカード)の対応関係
自分が把握している限り、RubyKaigi 2023で用意されていたバッジ(ネームカード)の種類は次のとおりです:
- Attendee
- Guest
- Speaker
- Committer
- Exhibitor
- Staff
チケットの種別との対応関係を表にするとこうなります。
チケットの種別 | バッジ |
---|---|
Attendee / Sponsor / Student | Attendee |
Guest | Guest |
Speaker | Speaker |
Committer | Committer |
Booth | Exhibitor |
(チケットの種別に依らず名前で判断) | Staff |
バッジと配布物の対応関係
RubyKaigi 2023で受付に用意されていた配布物は次のとおりです:
- バッジ(ネームカード)
- ネームストラップ
- バウチャーチケット
- スタンプラリーシート
- Tシャツ(Speaker / Committer / Staff)
- スポンサーブース関連の注意事項が記載された用紙
バッジと配布物の対応関係を整理すると次のようになります。
バッジ | ネームストラップ | バウチャーチケット | スタンプラリーシート | Tシャツ | ブース注意事項 |
---|---|---|---|---|---|
Attendee | o | o | o | Tシャツコーナーを案内 | x |
Guest | o | o | o | Tシャツコーナーを案内 | x |
Speaker | o | o | o | o | x |
Committer | o | o | o | o | x |
Exhibitor | o | o | x | x | o |
Staff | o | o | o | o | x |
ここまででわかるように、受付でのチェックイン業務は
- 2次元バーコードを読み込んでチケットの種別を知る
- チケットの種別に応じてバッジを判断する
- バッジに応じて配布物を判断して案内する
という感じです。
業務の時系列と傾向
次の3つの期間でそれぞれ傾向がありそうでした。
- day0
- day1
- day2以降
day0
RubyKaigi 2023では、スポンサーブースの各企業の担当者が会期の前日(day0)に来てブースの設営をしました。
なのでこの日の業務は
- チケットの受付
- 関係者以外の立ち入りを避けるために実施
- 主にBoothチケットだが、Booth以外(SponsorやAttendee)の方が設営の手伝いに来るケースもあった
- day1以降でつかう参加者リストを複製したday0専用のリストをつくってチェックインを実施
- ブース関連の問い合わせの対応
- 配送したダンボールが届いてない、ゴミはどうすればいいか、備品(養生テープなど)の貸出はあるか、など
を行ないました。
day1
会期初日です。とにかくたくさんの方のチェックインを行ないます。 RubyKaigi 2023では、参加者1,200名のうち800〜900名が初日にチェックインしていただいたと記憶しています。 ご参加いただいたみなさま、スムーズな受付にご協力いただきありがとうございました!
day2以降
チェックイン業務は落ち着く一方で、忘れものの報告や探しものの依頼が増えてきます。
また、RubyKaigi 2023ではday2からスポンサーブースでのスタンプラリーが実施されました。すべてのスタンプを集めた方が景品のピンバッジを受け取りにくるので、その対応も行ないました。
スポンサーへの事前案内
スポンサーブースの設営および撤収を行なうday0と最終日は、スポンサーブース担当者からの問い合わせが増えます。
問い合わせの中の一部は、RubyKaigi運営チームからスポンサー企業への事前案内に書かれているものがありました。そういった場合に「事前案内のここ読んでください」で対応できると効率が良いと思います。
RubyKaigi 2023では、受付担当のヘルパーに@tamaclawさん(スポンサー企業としても参加されている)がいらっしゃったので、そのあたりの情報に詳しくとても助かりました。
スポンサーブース担当者からの問い合わせの対応方法
まずは企業名を聞く
問い合わせをする側はその内容だけをお話になることが多いので、問い合わせを受ける側はどうしても忘れがちですが、まずは企業名を聞くことが大切です。
どの企業からの問い合わせなのかを記録する意味でも重要ですし、企業のスポンサー種別(Ruby, Platinum, Goldなど)によって回答に必要となる条件が異なる場合もあります。
わかっていることはその場で案内し、わからないことはオーガナイザーにエスカレする
事前案内に書かれていることやすでに対応が決まっていることは、その場で案内します。 わからないことはトランシーバーでオーガナイザーにエスカレしましょう。その際に企業名も合わせて伝えましょう。
「荷物が届いてない」→まずは着荷を確認してもらう
届くべき荷物が会場に届いていない、という問い合わせがたくさん来ます(実際たくさん来ました)。
まずは荷物が会場に届いてるかどうかを確認してもらいましょう。配送時の伝票番号を使えばすぐに調べることができるはずです。(スポンサーブース担当者のみなさまにおかれましては、配送時の伝票番号は必ず控えておいていただきたいです)
Speaker / Committer の顔と名前
チェックインの際に、SpeakerとCommitterにTシャツを配布するので、顔と名前を事前に把握しておくと対応がスムーズになります。
とはいえ、GitHubやSNSのアイコンは知っていても対面したことがない方だと顔の特徴で判断するのは難しいでしょう。ヘルパーのメンバーの中に詳しい方(たとえば、古くからコミュニティに参加している方など)がいれば、そういった方に対応をお願いしても良いと思います。
受付で使いそうな英語のフレーズ
海外の方も多くいらっしゃるので、英語での簡単な対応は用意しておくと良いです。
一応今回自分も用意していたんですが、英会話が苦手なのでもたもたしているうちに周囲のヘルパーの方がフォローして対応してくださったので助かりました。
会場内のマップと会場周辺のマップ
参加者から会場(ホールA,B,C、トイレ、喫煙所、スポンサー控室など)について質問を受けることがあります。会場内のマップは把握しておきましょう。
また、RubyKaigiの参加者ではない方が受付にいらっしゃる場合もあります。その際に会場周辺についても把握しておくとなお良いでしょう。
RubyKaigi 2023の会場となった「まつもと市民芸術館」の近くには「松本市美術館」というよく似た名前の施設があり、海外からの観光客と思しき方が間違えてこちらの会場(まつもと市民芸術館)に来てしまった、という事例がありました。
落としもの / 探しものの対応方法
落としもの: いつどこで拾ったのかを聞く
落としものを拾って受付に届けてくださる方がいらっしゃいます。 受け取る際に、拾った時間と場所を確認しましょう。探しにきた人に本人確認をする際の参考情報になります。
探しもの: 特徴を聞く、本人確認をする
落としものを探している人が受付にいらっしゃいます。 実物を見せる前に、落としものの特徴(大きさ、重さ、色、材質など)を聞きましょう。 高価なものや個人情報に関わるものは、可能な限り本人確認をしましょう。
RubyKaigi 2023ではスマートフォンの落としものが多数ありました。特徴を聞いた上で、生体認証(指紋認証や顔認証)でロックが解除できることを確認してからお渡しする、という手続きを取っていました。(実際に対応した参加者の方から「どんなスマホか確認されてロック解除の確認もあり、脆弱性のない返却フローですごく安心した!」というフィードバックをいただけて嬉しかったです)
次回以降こうするとよさそう
問い合わせカードみたいなものを用意する
今回は各種問い合わせを付箋にメモして管理していたんですが、地味に管理がしにくいなと思いました。必要事項を聞き忘れていてメモが不十分になったりもします。 ある程度定型化された問い合わせ内容であれば、専用のカードみたいなものを用意して、問い合わせ者自身に書いてもらう、という運用が良いかなと思いました。
たとえば、スポンサーからの問い合わせであれば、企業名、担当者名、問い合わせ内容をカードに書いてもらって提出してもらうようにしたら、企業名のヒアリング漏れがなくなりそうです。また、カードごとに対応状況を管理(ウラ面にメモするなど)できそうなので、対応漏れも防げるかもしれません。
スポンサーへの事前案内をヘルパーにも共有しておく
今回はたまたまヘルパーの中にスポンサーを兼ねている方がいらっしゃったので対応できましたが、次回以降もそうなるとは限らないので、事前に共有しておくと良さそうです。 (自分が見落としていただけ(実は今回も共有されていた)だったら申し訳ないです)
以上、メモでした。楽しく受付できましたし、いろいろと学びもありました。次回以降の参考になれば嬉しいです。